岡山市の洪水ハザードマップ・浸水リスクへの備えと安全な物件選び
岡山市で住まいを探していると、「この場所は水に浸かる可能性があるのだろうか」と気になる方は少なくありません。
市街地は旭川と吉井川が運んだ土砂でできた岡山平野に広がっており、こうした土地柄もあって、物件選びでは、洪水ハザードマップを確認して浸水リスクを把握しておくことが重要です。この記事では、色分けや記号の読み解き方、浸水リスクを踏まえた物件の見極め方、確認時のポイントを順に整理します。中心は河川の洪水と浸水です。
岡山市の洪水ハザードマップとは、大雨や河川の氾濫による浸水想定区域や避難所などを地図で確認できるものです。災害時の避難先や避難経路を考える材料になります。
この記事のポイント
- 岡山市WEB版ハザードマップと岡山県防災マップは、住所入力やGPSでその場の浸水想定区域と浸水深を確認できる
- 浸水深は色分けで表示され、0.5m未満、0.5m以上〜1.0m未満などの区分ごとに、建物への影響や避難方法を検討する際の目安になります。
- 計画規模は100〜150年に1回程度、想定最大規模は1000年に1回程度の雨を前提とした別の想定図
- 物件選びでは浸水深と階数に加え、避難場所までの経路と夜間・悪天候時の到達しやすさまで確認する
岡山市の洪水ハザードマップはここで確認できる|まず結果を見る方法
まずは自分の住所や検討中の物件の場所を、実際に地図に入力してみることから始めましょう。
岡山市の浸水リスクを調べる方法は主に2つあります。ひとつは岡山県の岡山県防災マップで、郵便番号や住所を入力すると洪水浸水想定区域や土砂災害警戒区域、高潮浸水想定区域などの危険度情報が表示される仕組みです。もうひとつが岡山市WEB版ハザードマップです。
岡山県防災マップ・岡山市WEB版ハザードマップへのアクセス手順
どちらも地図をクリックするか住所を入力するだけで、該当地点の危険度情報が表示されます。岡山市WEB版ハザードマップでは、スマートフォンの位置情報を使うと現在地周辺のハザード情報が表示され、避難所の開設状況もその場で確認できます。外出先で急に雨が強まったときにも役立つ機能です。
住所を入力して自宅や検討物件の浸水想定区域を調べる
検討中の物件の住所が決まっているなら、そのまま入力してみるのが近道です。今の住まいの住所も合わせて調べておけば、リスクの違いを比較できます。
紙のハザードマップの配布・入手方法
紙のハザードマップは各区役所や支所、地域センター、危機管理室で配布されています。問い合わせ先は岡山市危機管理室(086-803-1082)です。最新情報を確認する際は、岡山市公式サイトでWEB版の更新状況も確認するとよいでしょう。
洪水ハザードマップの色分けと記号の見方
色分けの意味を確認しておくと、想定される浸水深を把握しやすくなります。
洪水表示には「計画規模降雨」と「想定最大規模降雨」の2種類があり、前提とする降雨の規模が異なります。同じ場所でも、どちらで見るかで浸水深の表示は変わります。
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浸水深の色分けと7段階の区分
浸水深の区分 | 想定される影響・被害 |
0.5m未満 | 浸水深が地面から0.5m未満と想定される区分 |
0.5m以上〜1.0m未満 | 建物によっては1階の床上まで浸水する可能性がある区分 |
1.0m以上〜2.0m未満 | 1階部分への浸水が想定される区分 |
2.0m以上〜3.0m未満 | 1階の高い位置まで浸水する可能性がある区分 |
3.0m以上〜5.0m未満 | 建物によっては2階部分まで浸水する可能性がある区分 |
5.0m以上〜10.0m未満 | 5m以上10m未満の浸水が想定される区分 |
10.0m以上 | 10m以上の浸水が想定される区分 |
家屋倒壊等氾濫想定区域・浸水継続時間の記号の意味
河川管理者が公表する洪水浸水想定区域図では、河岸侵食などによる家屋の倒壊・流失の危険性を示す「家屋倒壊等氾濫想定区域」や、浸水が続く時間の目安を示す「浸水継続時間」を別図で確認できます。旭川では、北区牟佐・玉柏付近から河口までが家屋倒壊等氾濫想定区域図の対象河川区間です。浸水深だけでなく、家屋倒壊の危険性や浸水が長期化する可能性も確認してください。
洪水以外に確認したい土砂災害・高潮のリスク表示
洪水と合わせて、土石流、急傾斜地崩壊(がけ崩れ)、地すべりの警戒区域も色分け表示されています。地域差が大きいため、沿岸部の物件を検討する場合は、高潮浸水想定区域の有無も確認しておきましょう。
浸水リスクを踏まえた岡山市の物件選びで確認すべきポイント
浸水想定区域に入っているからといって即座に候補から外す必要はありませんが、確認すべき項目は増えます。
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浸水想定区域内でも検討する場合のチェック項目
想定浸水深がどの区分か、家屋倒壊等氾濫想定区域と重なっていないか。まずはこの2点を確認するとよいでしょう。
なお、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)に該当すると建築に制限がかかることもあるため、洪水以外の災害リスク(土砂災害や高潮等)についても区域の種類まで見分けておくことが大切です。
1階・2階など階数による浸水リスクの考え方
浸水深0.5mを超える区域では、1階の家具や家電が使えなくなるおそれがあります。3m以上が想定される区域になると2階まで浸水することもあるため、階数だけで判断せず、想定浸水深もあわせて確認することが重要です。
避難場所・避難経路までの距離を事前に確認する
公的な避難場所に加え、災害時の状況によっては友人・親族宅などへの避難や、安全を確保できる場合の在宅避難・垂直避難も選択肢になります。避難経路の道路幅や周辺地形を地図と現地の両方で確認し、災害時に利用できる経路を複数検討しておくとよいでしょう。
ハザードマップだけでは分からない土地の注意点
地図の色や記号だけでは読み取れない土地の性質もあります。周囲より低い土地では、雨水が集まりやすくなります。また、過去の航空写真では、旧河道や池・水田など過去の土地利用を確認し、現在の地形や排水条件を考える参考にするとよいでしょう。
ハザードマップの想定範囲と限界
ハザードマップの色や記号は、あくまで一定の条件下でのシミュレーション結果です。周辺の地形や避難経路もあわせて確認しておくと、より具体的にリスクを把握できます。
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着色区域外の浸水
色が塗られていない場所が、必ずしも浸水しない場所とは限りません。洪水浸水想定区域図は対象となる河川や計算条件が定められているため、すべての河川氾濫を同時に想定したものとは限りません。検討中の物件が区域図の外にあっても、それだけで浸水しないと判断せず、周辺の地形や過去の浸水歴も合わせて確認しておきたいところです。
対象外となる内水氾濫・高潮・想定を超える降雨
浸水想定区域図は、対象河川区間外の決壊や内水氾濫、高潮による浸水がシミュレーションの対象外となっている場合があります。排水が追いつかず道路や敷地内が冠水する内水氾濫は、河川から離れている場所でも発生する可能性があります。想定を超える豪雨が発生する可能性も考慮しておく必要があります。
定期的な更新・改定情報を確認する必要性
洪水浸水想定区域図や高潮浸水想定区域図は、河川整備の進み具合や新たな指定で見直されます。以前確認したことがある場合も、物件の検討時には最新の地図へ更新されていないか確認するとよいでしょう。
洪水シミュレーションの降雨条件
岡山市の洪水ハザードマップは河川ごとに異なる降雨条件で浸水を想定しているため、対象河川に設定された降雨条件を確認することが重要です。
岡山市の洪水・土砂災害ハザードマップは、河川ごとに異なる降雨条件を前提にシミュレーションされています。旭川・百間川では計画規模が48時間総雨量257.0mm、想定最大規模が48時間756.0mmとされています。吉井川では計画規模270.0mm、想定最大規模744.0mm(いずれも48時間)です。
高梁川は計画規模248.0mm、想定最大規模674.0mmとなっています。宇甘川は計画規模195.1mm、想定最大規模684.0mm(いずれも48時間)です。同じ洪水ハザードマップでも、河川によってシミュレーションの前提となる雨量は異なります。自宅や検討中の物件に関係する河川を確認し、その河川に設定された計画規模・想定最大規模の条件を確認してください。
河川 | 計画規模(総雨量) | 想定最大規模(総雨量) |
旭川・百間川 | 257.0mm/48時間 | 756.0mm/48時間 |
吉井川 | 270.0mm/48時間 | 744.0mm/48時間 |
高梁川 | 248.0mm/48時間 | 674.0mm/48時間 |
宇甘川 | 195.1mm/48時間 | 684.0mm/48時間 |
まとめ
これから岡山市で家を買う方、賃貸の住み替えを考えている方、そしていま住んでいる家のリスクを一度きちんと確かめたい方に役立つ内容をお伝えしました。押さえておきたいのは次の3点です。
- • 住所を入力して、自宅や検討中の物件の浸水想定を確認すること
- • 浸水深の色と、計画規模・想定最大規模の違いを取り違えないこと
- • 色が塗られていない場所でも、内水氾濫などで浸水しうると知っておくこと
地図だけでは把握しにくい現地の高低差や道路状況もあるため、可能であれば現地でも確認するとよいでしょう。
※掲載内容は執筆時点の情報です。最新情報は各自治体・関係機関の公式ホームページをご確認ください。
出典
- ハザードマップ(洪水・土砂災害) — https://okayama-life.jp/safety/disaster
- 岡山市WEB版ハザードマップ|地図画面 — https://www.city.okayama.jp/bosai/hazardmap/map.html?lay=saigai-04
- 高潮浸水想定区域 - 岡山県ホームページ(防災砂防課) — https://www.pref.okayama.jp/page/758511.html
- 家屋倒壊等氾濫想定区域(河岸侵食) — http://www.cgr.mlit.go.jp/okakawa/bousai/hanran_sim/sim/info/info_toukai_shinshoku_asahi.html
- 洪水浸水想定区域図 - 岡山県ホームページ(河川課) — https://www.pref.okayama.jp/page/548036.html
FAQ
岡山市の洪水ハザードマップはどこで確認できますか?
岡山市公式サイトの「WEB版ハザードマップ」で確認できます。スマートフォンやタブレットの位置情報機能を使えば現在地周辺の情報や避難所までのルート、避難所の開設状況も表示できます。 岡山県が運営する防災マップ(おかやま全県統合型GIS)や、国土交通省のハザードマップポータルサイトでも住所を入力して調べられます。
そもそもハザードマップとは何ですか。物件探しでなぜ見る必要があるのですか?
ハザードマップは、洪水や土砂災害などで被害が想定される区域と程度を地図上に示した公的な資料です。建物は後から補強やリフォームができますが、土地そのものの立地条件は変えられません。購入・賃貸を決める前にその住所の浸水想定を確認しておくと、物件の階数選びや避難経路の計画など、判断材料が増えます。
浸水深の色分けはどのように読めばよいですか?
岡山市のWEB版ハザードマップでは、浸水深を0.5m未満から10m以上までの7区分で色分けしています。詳しい区分と影響については、本文の「浸水深の色分けと7段階の区分」をご確認ください。
「計画規模」と「想定最大規模」は何が違いますか?
降雨の想定規模が違います。岡山市のマップでは、計画規模降雨は発生確率が100年〜150年に1回程度の雨、想定最大規模降雨は1000年に1回程度の雨として示されています。計画規模と想定最大規模の両方を確認すると、それぞれの条件で想定される浸水範囲を比較できます。
紙のハザードマップはどこでもらえますか。WEB版とどう違いますか?
紙版は岡山市の危機管理室、区役所、支所、地域センター、公民館などで配布されます。WEB版は更新された情報を確認しやすく、紙版は印刷物として手元で確認できる点が異なります。

この記事の監修者
水島 大輔
有限会社オバタ建設不動産 代表取締役
ハウスメーカーで新築住宅の営業を経験し、岡山県内で約200件のお客様の住まいづくりをサポート。「誠実・信頼・迅速解決」を社是に、住まい選びに役立つ情報の発信・監修を行っています。
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